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観光振興策の変貌

以上のように、これまで地域の観光は結果的に旅行業者に牛耳られていたわけですが、インバウンドと情報技術の進歩によって、地域の関わり方は一変しました。例えばICT技術が及んでいない時代、観光客の感想は旅行業者の実施するアンケート調査でしか知ることができませんでしたが、今では個人旅行が増えたことも相俟って、地域住民と観光客とが直接やり取りできるようになりました。地域の観光関連事業者はこの新しい波に上手く乗る必要があるのですが、マーケティングを都市部の旅行会社に一任していたため、即時対応することができません。しかし訪日外国人がこれだけ増加しているわけですから、新しい需要にどう応えればよいのかは、正に喫緊の課題となっています。そこで誕生したのが日本版DMOです。DMOは、旅行会社に任せていた顧客開拓やリピーターの生成、商品開発、品質管理等を、地域ごとに行うことで、当該地域のブランディングを実現するための組織です。DMOの誕生によって、旅行会社を介在させずに地域が主体となって、観光振興策を練ることができるようになりました。

 外国人観光客の増加はまた、地域運営者の世代交代に貢献しています。英語で対応できるのは若者が多いでしょうし、外国人観光客の旅行にはSNSが必ずと言っていいほど関係します。SNSにあふれる観光客の率直な反応は、地域の観光関連業者にとっては最も注視すべき情報です。実際、SNSを用いて新たなビジネスチャンスを創り出すことのできる若者が、故郷の観光関連企業の後継者として活躍する姿が目立っているのです。例えば、東北の旅館を経営する若者が共同出資して、海外に旅行会社を設立しています。

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